長年サーフィンを教えていると、上達していく人と、ずるずると時間がかかってしまう方の差が見えてきます。
今回は、サーフィンを始めたばかりの方や、数年やっているけどなかなか上達できないという方を”確実に上達に導く”大事な3つの項目の話を書きたいと思います。
この記事でお伝えする3つの項目は難しいことでもなんでもなく、誰でもできる簡単なことなので、しっかり意識してサーフィンを楽しみながら上達しましょう。
サーフィン上達に大事な3項目とは?
サーフィンを始めたばかりの初心者から上達し続け、サーフィンを楽しみ続けるために必要な3つの項目はずばり、
- 知識を学ぶこと
- 練習をすること
- 努力すること
なんだそんなことかよ…
って思う方もいるかもですが、これが意外と出来ていないんです。
というか、やっているつもりでやっていなかったりします。
どういうことかというと、ただ単に簡単に言葉にするとこういう表現になりますが、問題は中身です。
知識は知識でも、
【上達につながりやすい知識】
というのが必要になってきます。
見る知識と、やる知識は違う
例えば野球ってあるじゃないですか。
テレビでもよく中継していますね。
サーフィンはこれだけ人気のあるスポーツですが、テレビ中継とか、そもそもライブとかで放映はされているのですが見る人も少ないのでちょっとわかりづらいかもですが。
野球を見ている人の、楽しく見るための知識と、野球をやっている人の勝つための知識は違うということです。
どうしてもメディアというのが商売上”見てもらってなんぼ”なので、いろいろな情報を見させようとしていますね。
テレビで野球で勝つための、すごい球を投げる技術とか、ホームランやヒットが打てる技術や、勝つためのメンタル強化術とかってほとんど見ないですよね。
プロ野球選手の詳細とか、生活とか戦歴や優勝まであと何勝とか。
見る人を楽しませるための情報はあふれていますね。
そういった知識ではなく、上達するための知識が必要なのですが、そのような上達の知識というのは
【自分で取りに行くしかない】
わけなんです。
でも野球って”部活”というものがあるので、監督やコーチが居る前提で始まっていますよね。
最初はお父さんとのキャッチボールから始まっているかもですが。
ある程度教えてもらうということが普通にある環境ですね。
しかも名門の学校で有ったりクラブで有ったりと、すでに選手を育てたり、チームを育てたりの実績のあるところが当たり前にあったりします。
サーフィンは?
サーフィンの場合はそういった環境がないです。
あるのはあるのですが、見つけに行く人はごくわずかですね。
子供のころからやっていれば父親が教えたり、父親が言っているショップのライダーなどと一緒に入って教わったりはあるかもですが。
始めたばかりの初心者からしっかり教わるという方は少ないと思いますし、数年上達できていないという方は、数年上達していないことが正しく教わっていないということだと思います。
これから紹介する3つは”教わる”という環境があると自然に正しく身につくものなので、始めたばかりの初心者サーファーや、上達に悩み続けている初心者サーファーの方は意識してみてくださいね。
これから3つを説明していきたいと思います。
正しい知識を学ぶこと
先ほどの続きになってしまいますが、まずは正しい知識を学ぶことです。
正しいというのは、上達につながりやすい、上達への効率がいい知識なのですが、これは何が正しいのかなどは始めたばかりの初心者の方はわからないと思います。
始めたばかりなのに、プロサーファーの名前やら、最近出たフィンの種類や特徴など覚えても上達につながらないですが、そのような知識を覚え始めると楽しくなるのは確かですね。
そのような知識も無駄ではないですが、どうせ覚えるならもっと上達に有効な知識を覚えていきましょう。
上達に有効な知識とは?
そこで上達に有効な知識というのを紹介していきます。
これは始めたばかりの初心者の方や、テイクオフが安定しないという方に当てはまるもので、ある程度ライディングできているとか、中上級者の方には当たり前かもしれません。
この当たり前の知識を、始めたばかりで覚えることが必要なんです。
それも早い段階で覚えると良いです。
テクニックに関する知識
最初はテクニックに関する知識です。
必要な技術について関連する知識ですね。
たとえばパドリングの方法とか、パドリングで板に乗る正しい位置を合わせるための知識とか。
波を追いかけるときに気を付けることとか。
必要なテクニックをできるだけ早く習得するた目に必要な知識です。
単純にハウツーとかレッスンなどで教えてもらうような項目だと思います。
ルール・マナー
次にルールやマナーです。
海では上級者も始めたばかりの初心者も同じフィールドでサーフィンをしています。
同じ波は2度とこないので、いい波を取って気持ちよくサーフィンしたいという気持ちで波を取りに行くのですが、この時にルールやマナーがないと大変なことになります。
最低限覚えてほしい優先権などの部分は先に覚えておきましょう。
ルールやマナーは基本的なものもありますが、行く地域でローカルルールなどがあったりもするので、そういったものがあるということと、その内容などはこれからその地域でサーフィンするためには必須の知識となります。
ルールやマナーはショップや言っている地域のローカルの方などと仲良くなるなどすると教えてもらえる場合が多いです。
手っ取り早いのは好きな地域のショップに入ることです。
そうすると上記の正しい知識も教えてもらえたりするので一石二鳥というわけですね。
初心者サーファーの皆さん自身の安全のためにもルールやマナーは学んでおきましょう。
気象に関する知識
私が教えているスクールでも、オンショアが(海側から吹く風。サーフィン上厳しい方向の風です)かなり強く吹く日に初心者の方が海に来ていたりします。
『今日来たんですか!?』
なんていうと、
『まさかこんなに風が強いとは思いませんでした…』
なんて答えが返ってきます。
要は天気を気にしていなかったようです。
サーフィンは天候にかなり左右されます。
特に風向きは、波の良し悪しを大きく左右します。
意外と天気自体、晴れるか雨かというのは見ているのかもしれませんが…
ご自分の行く地域で初心者の練習につながりやすい風や波の高さになりそうかなどは、常に気象が気になるくらいに興味を持って、気象に関しての知識も覚えていくといいと思います。
幸い今は天気図の見方などを覚えなくても、波情報という便利なサービスもあります。
ただ波情報に頼るだけだと、天候についての知識が覚えられません。
できたらウインディ(主に風の予測をアニメーションで可視化しているサイト)などを使って予測できるようになると良いですね。
普段行っている地域の地図で見ても風の向きが合うかどうかなどわかりやすいです。
道具に関する知識
これは最初に書きましたが、必要な部分と必要ではない部分があります。
たとえば板の性能やメーカーの新しいモデルなどの情報はそれほど要らないかもですが、板に関してのスペックでどう性能が変わるかなどのメカニズム的な知識は持っておいた方が良いですね。
例えば長さが変わるとどうなるのか?幅が広いとどうなるのか?テールの形状が変わるとどうなるのか?などをしっておけば、その特性を生かしてサーフィンをより楽しく、より上達させることができます。
またサーフィンは命がかかってるのですが、リーシュコード(サーフボードと体をつなぐ命綱)の知識などもあると良いですね。
それは素材がどうとか、形がどうとかではなく、
どのくらいで買い替えたほうがいいのか?どのくらいの長さや太さを使えばいいのか?リーシュコードの扱い方などを知っておくことです。
買い替え時期をとっくに過ぎているのに”切れていない”というだけで使い続けたり、初心者なのに細いリーシュコードを使ったり、板が長いのに短いものを使ったり、取り付け方を間違えたりなど、下手をすると命にかかわります。
道具と言えばウエットスーツもあります。
その地域、その季節だとどんなウエットスーツが良いのか?なども上達の効率に直結します。
私がサーフィンしている千葉北では、真夏の猛暑の時に海水温が14度になったりします。
14度というと真冬ならブーツは必須の水温です。(私ならグローブも必要です)
なのに、夏だからと”海パン+ラッシュガード”という装備できてしまうと寒くて練習どころではありません。
ほかにも細かいことを言えばいっぱいありますが、上記の4点は詳しく覚えておくことをお勧めします。
最初から自然に上記の項目に興味がある方などはいらっしゃると思いますが、今まで以上にもっと知識を増やしていってくださいね。
練習をすること
もうこれは何も言うことはないですが…
当然練習は必要です。
とはいえ皆さん練習はしていると思うんですよ。
ですが、上達するための練習をするようにしてください。
ただ単にYouTubeで見たからやってみるだけとか、本で出てたからとか、プロサーファーが言ってたとかいうことをやっている人という方も多いです。
サーフィンが上達する練習と、そうではない練習の違い
同じ練習といっても【やりたいことをやる】のと【やらなければいけないことをやる】のは大違いです。
ただこれは見る方向によっては正しくもあり、間違っているとも言えます。
どういうことかというと、サーフィンを初めてから順調に上達している人は、練習がやりたいことで有り、やるべきことになっている方がほとんどです。
ですが、上達に時間がかかるという方は特に【やりたい練習】(練習ではなくやりたいことであったりします)が必要な項目ではなかったりする場合がほとんどですね。
今はパドリングの練習をするべきなのに”乗ろう乗ろう”とムキになっていたり、たまに来るいい波を上級者の方に交じって狙っていたりと、方向性がずれている方がほとんどです。
必要なのは?
必要なのは、今のあなたの現状に必要な底辺のテクニックです。
項目として一つ下がった項目をしっかりやれるように練習を続けていくことです。
『もしかしたら出来ちゃうかも!』
とか
『出来たらいいのにな~』
なんてテクニックを、夢のようなテクニックをやろうとしても、結局は基礎ができていないと出来るようにはなりません。
出来たとしても、それはマグレというものです。
特に始めたばかりの初心者の方は、今必要な基礎中の基礎のテクニックをいっぱい練習しておいてください。
努力すること
これは上の2つをしっかりやるということです。
そしてそれはただ単に、知識が多ければいいわけでも、練習をいっぱいやればいいわけでもなく、
常に最高効率で上達し続けるために、工夫をすることと、そうやって考え続けることの努力を怠らないことです。
知識を聞いたり、本で読んだり調べたりする努力、練習の仕方を覚えたり、実際に多くの練習をこなしたりすることを、常に最高の状態に保つという努力を惜しまないことです。
体つくりも努力
サーフィンは思ったよりも激しく消耗するスポーツです。
私は慣れているので3時間4時間と海に入っていっぱい乗りますが、始めたばかりの初心者の方や、数年テイクオフに悩んでいる方などはサーフィンでへとへとになってしまうと思います。
そのため、サーファーで居続けるための【体づくり】に対する努力も必要です。
これは上達を最大効率に上げていくという点でも必要になると思います。
海に行けない時こそ努力!
サーフィンは海でやるスポーツですが、これは大体の社会人の方なら、常に海にいるわけでもないと思いますので、海に行けない時間の方が長いと思います。
中学高校の部活と違い、毎日必ずやるというものでもないからです。
そのため、VSCではここを非常に重要視ししていますが、海に行けない時こそ努力が必要になってきます。
上にも書いた体作りもそうですし、正しい知識やルールマナーを学ぶというのも陸でできることです。
海に行ったついでに聞けばいいか?などと思っていませんか?
海に行った時にはどうせ聞くならテクニック的なことや、練習について聞いた方が良いと思います。
家でもできることは家で終わらせた方が効率は良いですね。
もしかしたら、家でネットを見て何をしているのかと思ったら、海に着ていく服など探していませんか?笑
観察も努力か
そして海に行ったら、入る場所が決まって、入って、練習して、おいしいものを食べて帰る。
当然と言えば当然の流れですね。
ですが、ちょっと待ったです。
初心者の方って、観察をすることが少ないように思えます。
私が主催しているレッスンなどでも、海に入る前に砂浜で話して、海に入って、話しながら帰ってしまう。
入る前や帰りに話していることはサーフィンの上達につながることならいいと思いますし、恐らくそうでしょう。
【海を観察しましたか?】
ということなんです。
海に入る前に、自分がこれからやろうとしていること、同じような初心者がやってしまっていることなど、実際の海を見て観察することです。
特に海というのは陸のものと違って、近づいてみることや、一定の間隔で乗っているわけではないのでその瞬間にしか見るチャンスがないこともあります。
なので、海での観察というのは非常に貴重なんです。
そして、サーフィンは危険が常に隣りあわせということも考えておいてください。
その危険がどこにあるか?なども観察することによって回避できるので、より練習に集中することが可能になってきます。
この3つを意識してより効率よく上達して、早くサーフィンを本来あるべき形で楽しんでください。
あるべき形というのは、ライディングで有ったり、スピードをつけてのトップアクションや、波を感じてクルージングするように波の上をすべることで有ったり、難しいことにチャレンジしてそれを克服していくということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
当たり前と言えば当たり前ですが、意外とずれてしまっている方も多いと思いますし、一体なんのことを言っているのか、今はまだわからない方もいるかもしれません。
ですが、この当たり前の項目を自然に行っている人もいるわけで、そんな人はスムーズに数年でオフザリップなどを簡単に決めてしまうように上達していく場合がほとんどです。
それも、そういう方に限って、底辺の練習を楽しく思ってやっているだけで、練習を練習と思わずに繰り返していたりもします。
テイクオフにはパドリングが重要だと言って、乗ることよりパドリングの練習をした方が良いと言われたとすると、言われなくてもやっていたりするんです。
なぜか?
それは、底辺の練習って、より簡単なことなので、やればやるほど効果が高く、効果が出ると上達を実感できるので楽しいからなんです。
ですが、練習と思ってもやりたいことを少しやっては乗れない、おかしいな?と思って同じことを続けられなかったり、そもそもその練習が正しい知識でなかったりすると、頑張っても無駄な努力となってしまいます。
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