22年一発目から台風で良い波が各地で有ったようですね。

こちら千葉の一宮近辺では…

特にいい波もなく終わりました…

南の方は良い波もあったようですね~

 

今回のテーマは

【ライディング時の体の向き 】についてです。

 

正しい体の向きは?

私は、ほぼ毎日会員さんと何かしらのやりとをして、週に4回は練習会などで直接指導をしているのですが、体の向きというのも部分としては4つありまして、

これに板の向きも合わさると5つの向きが関係しています。

 

 

身体の向きの答えは?

そこで、この4つの体の部位の向きについて先に答えを申し上げておきますと、

・顔

顔は今から走っていく方向(波のフェイス)となりますが、視界でその方向がとらえられるくらいの向きという感じです。ノーズではないです。これはVSCではSDタイプといって、Dは直接波のフェイスを見るタイプ、Sは視界の端側で波のフェイスを見るタイプ(やや岸よりの目線)となります。ノーズの方を見たり、岸の方は見たりしません。

・肩

肩は板に対してやや開きます。これが難しいところなのですが、開くというとねじり開いちゃうのですが、胸を開けるというか、前傾した状態で後ろ足側からややノーズの方を向かせる感じです。直立した状態で肩を回すのとはちょっと違います。とはいえ、開くという認識でも良いでしょう。

・腰

ここが問題です。腰は”閉じる”が正しい動きです。というのも、上級者は足腰がしっかり構えているので、肩を開くとか視線を変えても(当然ターン中も)腰がそれほど動きません。なぜかというと、脚を使って動くからです。上半身の動きで板を曲げようとしている一般の方が多いのですが、上級者の場合は足を使って踏み込みの力で板を加速させます。そのためには腰をノーズのほうなど踏ん張れない体勢、特に前足の股関節に乗るような前荷重にはしません。そのため、どちらかというと後ろ足側に締め付けている感じ(後ろ足の股関節に乗っている)状態なので、一般の人からみると”閉じている”状態になります。

・膝

そして膝です。膝といっても前足はそれほど気にしなくていいのですが、問題は後ろ足。後ろ足の膝はできるだけ前に向けます。これは後ろ足で板が加速する方向へ押し出したり、スムーズにたーをする際に(特にバックサイド)方向性をつけるために必要です。この後ろ足の膝が外を向くのが所謂”がに股”というやつですが、このがに股も膝だけでは治らず、むしろよくある前足荷重というのにするとなりやすいんです。正しい後ろ荷重にするとがに股にはなりません。

 

4つの部分をまとめると

この4か所をまとめると、

  • 顔は閉じる
  • 肩は開く
  • 腰は閉じる
  • 膝は開く

となります。

しかし言葉で表現するのは難しいですし、ある部分を切り取れば腰からすべてがノーズ方向を向くというのも説明されてしまいます。

ですが私は当然ですが、いろいろと比較や研究をしたうえでの、一般の方が上達するための基本姿勢は?という点でみています。あくまでも基本姿勢です。

進行方向という言葉自体が曖昧

よく、体は【進行方向】という言葉で表されていますね。

結論としては、体は進行方向へ向けるで間違いはないと思います。

でもこれってかなりあいまいな表現なんです。

そもそも”体は”という体はどこを指すのか?

進行方向とは?

この2つが曖昧過ぎです。

 

身体の向きなどを表すのが曖昧になる理由

おそらくですが、この部分が曖昧な表現をしている方は、自分のライディングや、他人のライディングでも、正しく動きや向きを解析していないんだと思います。

私はというと、当然ほぼ毎日のようにメンバーのライディングをチェックしたり、私自身もほぼ毎週くらいはソロショットなどで自分のライディングをチェックしています。

私自身が完ぺきとは言い切れませんが、私と一般の方の差などは日々チェックしていますし、その差自体を”どこがどのくらい”私とずれているのか?や実際にその姿勢で上手くターンができるか?などをチェックしています。

そして、私のレッスンは基本的には【できない人を出来るようにする】というコンセプトで考えているので、私自身を見本にはしていますが、当然スタイルの違う上級者や、一般の方でもうまく乗っている方の形も参考にしています。

そうやって毎日考えている状態で出せるのは、最初に言った4つの向きと板の向きの関係性をすべて考えたほうがいいということです。

進行方向とは?

これは2つあると思います

  • 実際に板が向かっている進行方向
  • 波に対して横に向かった方向

2つを説明すると

実際に向かっている進行方向とは、板自体は波に対して横に走っていますが、その波が岸に向かって移動しているので、サーファー自身は斜めに岸に向かって進んでいます。この斜め岸に向かう方向はブレイクが早い波や、逆にブレイクが遅い厚い波などで角度は変わります。その波に合わせた角度になるのですが、まっすぐ岸になることはあっても、岸と平行(波と平行)になることはありません。

そしてもう一つの、実際に乗っているサーファーが感じている波の斜面に向かう方向です。これはただ単に乗っているサーファーが行きたい方向となりますので、波に平行(岸に平行)という表現になると思います。

 

この2つのどれかが進行方向として表現されていますが、VSCでは進行方向といえば基本的には実際に進む方向として岸に向かって斜めのラインを【走行ライン】と表現して、それを進行方向と呼んでいます。

 

この方向性の食い違いも、まったく同じことを言っても別のように感じますし、別のことを言っても同じように感じる人もいるので混乱するんですね。

どの部分を”進行方向へ”と言ってるのか?

これにもいくつか種類があると思っています。

種類というのは正しい向きの種類ではなく、それを【言っている人】の種類です。

  • 上級者・プロ
  • コーチ・インストラクター
  • 解説者・アドバイザー
  • 素人

この3つです。

上級者の”向き”について

この場合は、ほとんどの場合で、その人の見ている視界となっていると思います。

要は方向で言うとAの波のフェイス方向です。別の言い方をすれば目線ですね。

上級者の方で、実際にライディングが上手くいかないという方とやり取りをしながら改善をしていくのが日々の課題という方もなかなかいないと思います。そう考えるとただ単に【自分はそうしている】という感覚の話になるので、それはそれで参考にはなりますが、サーファー全体でも上級者という部類の方はかなり少ないので、一般の方にはあまり参考にならないということになってしまいます。

これは感覚が別だからです。別というのも、それが別だという私の感覚ではなく、実際に”どうなているか?”を見たときに(何千回と見比べています)、上級者は昔から言っていることですが、一般の方は上級者の形にはなっていません。なので、同じようにしているつもりでも、まったく別の形になっているので、同じ感覚では同じ形にならない=感覚が別ということが言えます。

 

コーチ・インストラクターの言う向きについて

これは一番正しいという答えに近いと思っています。なぜかというと、実際にレッスンなどに来ている方を上級者や上手くターンできている方と同じように導く方向性をつけて考えられるからです。

とはいえ、自称”コーチ”という方も多く(当然資格などもあるのですが)、現場経験の少ない方も多々いらっしゃいますね。

そしてこれが問題ですが、その本人が基本姿勢ができていなかったりする場合が多いです。当然上級者がコーチをする場合は良いのですが、YouTubeなどを見ると、本人のライディングも出していない(比較動画なども含め研究材料に入らない、もしくは入れていない)方も…

その方が上手いとかプロである必要はないですが、ライディングを教えられるほどご自身のテクニックがない場合が多いです。上手い必要はないけど、最低でも基本的なライディングはできないと、そもそもの形や感覚が分からないと思います。味が分からないのに料理教室をやっているようなものですね。

ですが、ご自身でもターンなどの基礎的なことは出来て、メカニズムを理解しているのであればインストラクターにはなれると思います。

話はそれましたが、コーチが言う向きというのは実際の走行ラインという場合が多いかもしれません。私自身もそのように教えています。

解説者・アドバイザーの言う向きとは?

これが一番混乱を招くところですね。

上記にも書きましたが、YouTubeなどを見ると、自分のライディングで比較したりできないレベルの方が(上手い必要はないが)軽はずみに【進行方向】というと、どっちなのかがはっきりしていないし、そもそもこの2つの方向があるということすらが分かっていないパターンが多いです。

ただ単に波に対して横に走るから、進行方向は横だと思っている方が大半じゃないでしょうか?

そしてこれもさらに厄介なのが、そもそも本人がまともに走れないなどのレベルの場合、

波に対して横に走るから、板も波に対して横を向いているのが基本

という考え方を持っているような方が多いようです。

そしてさらにそういう方が、自身のことを”コーチ”という風に言っているのも気になります。

実際は自分なりの見解を言っている”解説者”の場合がほとんどです。

素人の場合

素人の方の場合は、その方が言っているというよりは、ただ単に”思っている”という場合が多いですね。自己流でやっている方の発言という感じでしょうか。

下手をすると上記の解説者の範疇の方でも、自称はコーチと言っていて、さらに良く内容を見ると、ほぼ”素人”というレベルの方もいらっしゃるようですね。

 

サーフィンのライディングの正しい向きはほぼ2つに分かれる

ここまでさんざん批判的な意見を書いてしまいましたが、これは私がVSCで本当に数千人と向き合ってきてわかってきたことなのですが、冒頭で書いた各部分の動きを正しく理解するとわかることなんです。

感覚で言っているなとか、聞いた話を言っているなとか、昔から言っているセオリーをそう思っているだけの話だったりするわけです。

 

これには大変がっかりで、ちゃんと向き合っていればわかるし、説明できることなのに…という感じです。

そしてそれは、ただそう思っているだけということでは、本当に上達したいと考えている方に迷惑なんです。

今はYouTubeなど”稼ぐ”ということが可能になってしまったので、何かしら見てもらえればお金がもらえるとか、思って投稿する方も多いでしょう。それが割ることではないのですが、もうすこし動きを理解して、研究した結果で発信してほしいと思います。

 

正しい向きはバランス4タイプのDタイプが教えてくれる

こちらの図をご覧ください。

これはVSCで教えているサーフィンバランスの4つのゾーンです。

皆さんはこの中のどれでしょうか?

一般的な方はABCあたりだと思います。

上級者は?

ずばりDが多いです。

ライディング中にABCにかかる方もいますが、基本はDで乗っています。

上記の教える人のタイプで、上級者は自分の感覚がDです。

ですが、アドバイザーや素人の方の意見はほぼBあたりから来るので、Dと同じことを言うとまったく真逆になりますね。

要は、Dの人はもともと後ろ足荷重で、加速の時やアクション前などに前足に強くシフトすることがあるのですが、もともとBの人が同じことをすると…

おわかりですね。

余計ひどいことになります。

そのためご自身も出来ていない状態なのに、セオリーをうのみにして”前足荷重だ!”などと言っている場合が多いのが要注意なんです。

そして体の向きや、進行方向についても同じことが言えて、なぜそうするのか?の理由もない、もしくは説明できない(説明がつかない状態でもある)状態で、発信しているのでABCタイプの方はさらに深くBにはまってしまう結果になります。

こうなると修正は厳しくなってくるので、今回強くこの記事に書いたのですが、この向きの答えはDのタイプのサーファーを見るとわかります。

Dのタイプのサーファーは後ろ荷重が基本

Dタイプのサーファーは、基本後ろに荷重があります。これは何故かというと、一応私も元上級者の部類(2級は持っています)として書くと、どこに荷重があるか意識して乗っていると、明らかに後ろに荷重配分があるのです。

そしてそれを前足荷重にすると、明らかにバランスが悪くなります。(フィンが利かなくなるので当然ですが)

そして、そのDタイプで乗ると、腰は閉じて肩は若干(見た目わからない程度)に開きます。(というか開いている意識なだけ)

Bのタイプに乗ろうとすると、自然と前足股関節に荷重がかかるので、腰は開き、肩も同じく開きます。(しかも上体は立ってくる)

これではうまく乗れませんね。

 

なぜかというと、冒頭にも書きましたが、しっかり下半身を構えていない状態になってしまうからです。

要は、脚が使えなくなる。ということなんです。

脚が使えなければ、動けるものも動きません。

野球でもゴルフでも、100m走でもなんでも、下半身がしっかりしていない状態で、体幹を固められない状態なら何をやっても力感は出ませんし、力感のない状態でハイパフォーマンスは出せませんね。

ただし例外もありますが、これは

  • 上級者がわざと抜いている場合
  • ロングなどでノーズに行く場合

これらの場合は腰がノーズの方を向くと思います。

スケボーでもただまっすぐ進むときなどはそうですね。まっすぐ進むだけでもバランスが悪くて転んじゃうくらいの方は腰を前に向けて棒立ちなんてできないと思います。

 

まとめ

と書きたいことはまだまだありますが、要は

目線はショルダーで、肩はやや開く、腰はしっかり閉じて、膝はノーズ方向

というのが一番上達する

ツイステンションの姿勢

となります。

ツイステンションについては

4月22日 12時30分からのライブでお伝えしますので、お時間があったら見てみてください。

それに先行して、検証動画も作ったので、実際に腰は開かないということだけでも見ておいてください。

 

 

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