連日の猛暑ですが、千葉では水が冷たく波もなく…
海に入ってもサーフィンがフルに楽しめない日が続いています。
そんな中、湘南エリアでは
カツオノエボシ
というクラゲが大量発生しているとのことです。
見た目はコバルトブルーできれいな南国の海洋生物という感じですが、これはかなり危険な生物です。
特にサーファーには…
今回はそんな、サーフィンをするなら気を付けたいクラゲなどについての情報と、刺されてしまった場合などの対応方法についてお伝えします。
サーフィンとクラゲの問題
まずはサーフィンとクラゲの問題についてです。
サーフィンは当然波のある海で、海面に浮かんで行いますので、クラゲとの遭遇リスクも船などに乗っているのとは違いリスクは高いです。
特にパドリングという自身の手を使って漕ぐという手段が唯一の移動手段のサーフィンでは、見えない水中に手を伸ばし漕ぐことで手や腕をクラゲに刺されるということがどうしても多くなります。
私自身も、サーフィンを30年以上やっている中で、クラゲに刺された経験は数十回はあると思います。
サーフィンには常にリスクはあるのですが、これからの夏の季節は特にクラゲやエイに気を付けてほしいと思います。
よく見るクラゲは?
私がレッスンを行っている中でよく見るクラゲは
- ミズクラゲ
- アカクラゲ
- カツオノエボシ
この3種です。
実際にサーフィンをしていてよく見るのは”アカクラゲ”ですね。
ミズクラゲは漁港の中などにはよく見るのと、実際にはそれほど刺されないので居ても気づかないというのもあると思います。
ミズクラゲ
ザ・クラゲという感じの形ですね。
水族館などでも見られると思います。
このクラゲは結構その辺にいると思われますが、触手(糸のようなもの)が短く、針も短いので直接本体を触るくらいに近づかないと刺されないうえに、刺されても毒性は低いようですので、刺されたと感じることも少ないのだと思います。
よほどミズクラゲの大群に裸で突っ込んでいかない限りは大丈夫でしょう。
大丈夫だと思って手でつかんでしまっても、手の厚い皮膚では大丈夫ですが、その手で顔をぬぐったりすると顔の皮膚では反応してしまうということも私は経験したことがあります。
安易に近づかず、触らないというのが良いでしょう。
アカクラゲ
千葉の海では真夏になってくると南西の風が吹いて水が冷たくなりますが、そのころから出始めるクラゲです。
このクラゲは刺されると痛いので、刺されてから初めて気づくことも多いです。
その前に気付くとすると、水中で髪の毛のような細いヌルっとした線のようなものが手に絡まってきたりします。
これもクラゲが小さいとピリピリする程度で済みますが、大きいとミミズ腫れのようになってしばらく痛みが続き、その後かゆみが止まらなくなり、下手をすると一週間ほどかゆくてかきむしることになります。
クラゲがいるという情報を聞いたら最低でもフルスーツで海に入ることをお勧めします。
アレルギーなど心配な方は入らないというのも考えてもいいと思います。
発生するときは、ほとんどの場合集団で発生するので、一つ一つ避けていくということもできませんし、そもそも見えないと思いますのでウエットスーツなどで予防するしかありません。
カツオノエボシ
これはサーフィン中の危険なクラゲでは断トツナンバー1です。
ただ、このクラゲは上記の画像のように、風船のようなコバルトブルーの浮きがついているので、水中に沈んで見えないアカクラゲのように突然刺されることはないです。
がしかし、夢中になって波を追っていたりして、激痛が走ったと思ったら腕にブルーの糸が絡まっているということが多いようです。
カツオノエボシは、海風に乗って風で移動してくるので、夏のオンショアが吹く季節には要注意です。
海に入る前に上記の画像のように打ち上げられている個体がある場合は、かなりの注意を払ってサーフィンをした方が良いです。
カツオノエボシの場合は、それほど密度は高くないと思いますが、この浮き輪の下には数メートルの触手が広がっている可能性が高く、目の前ではなくてもパドリングで引っかかるということがあり、引っかかってから引き寄せてしまい、数メートルの触手に両手を絡めてしまうという方も見たことがあります。
最強最悪なので、ビギナーの方や、どうしても夢中で漕いでしまうという方は、カツオノエボシが発生している海ではサーフィンは控えたほうがいいかもしれません。
特にアナフィラキシーを発生させることもあるようなので、アレルギー体質の方は要注意です。
もし刺されてしまったら
もし刺されてしまったらどうすればいいのか?
これは医学的には刺されたクラゲによって対処は変わるようです。
やってはいけないこと
まず刺されたらやってはいけないことが、刺された部分をこすって触手を落とそうとすることです。
クラゲの針は触っただけでも刺さるのですが、詳しいメカニズムはかなり複雑というか、面白いメカニズムです。
まず毒針が入っている袋のようなものがあり、その袋の中は高圧になっています。
その毒針の袋の前に小さい針(センサー)があり、そのセンサーに触れると高圧の袋から毒針がついたモリのようなものを発射します。
なんとそのスピードは100万分の1というスピードで発射されるということです。
これが生きているクラゲも厄介ですが、触手がちぎれてもその触手の残りからも発射されるということで痛いともがくとさらに発射されるということなんです。
当然こするとその触手をつぶしてしまい、その高圧の袋から毒針を発射させまくるということになります。
クラゲを触ってしまったら、その部分をこするのだけは止めましょう。
おしっこをかける?
昔はよくおしっこをかけるとよいと言われていたようですね。
おしっこのアンモニアで毒が無毒化するとか。
その方法は今ではどこでも推奨されていません。
水で洗う
これは
- 海水で洗う
- 真水で洗う
- お湯で洗う
というパターンが考えられます。
実際にはどれがベストかというのはいろいろとネット上を調べても、そこまで詳しくは出ていませんが、まずは海水で洗うというのは間違いないと思います。
刺されたら騒がず暴れず、そっと腕や体をその場から離し、できるだけ圧力をかけずにきれいな海水の部分で振り落としましょう。
その後は水で洗うのか、お湯で洗うのか?となると思いますが、これも真水で洗うのはNGという意見もありますね。
私は、そのクラゲの毒素に注目して、その毒素とは”タンパク質毒素”というもののようで、あるところで出ていた情報では40度以上になると毒素が無毒化するということだったので、実際に私が刺されたときに何度か試してみました。
※かなりひどい場合は下手に自己対処せずに救急車を呼ぶことをお勧めします。
私の場合は腕や足を刺された経験が多いです。
それほどひどい刺され方はしたことがないので、心配な方は真似をしないでほしいですが、実際に行ったところでは効果はかなり高いと思っています。
その方法は、
熱いお湯で(45度くらい)洗い流すことを数十秒を数回行う。
という方法です。
クラゲの場合は、刺されているところは毒素を注入されていますが、それほど深い部分ではないですし、上記でも説明したように、まだ触手が残っていればさらに刺されるということもあるので、できるだけ刺激せずに、一気に熱いお湯で流すという方法は効くのかもしれません。
これをやると明らかにその後の腫れの引きも早いですし、なによりも何日間もかゆみで悩むことが少ないです。
ガムテープ
もう一つ、さらに洗った後に軽くタオルで水気を取って、その後ガムテープを貼って剥がすということをすると良いです。(貼る時叩いたり、押し付けたりしないように)
これでも無毒化した針などが除去できると思っています。
とはいえ、この方法も科学的に検証されたわけではないので、あくまでも私の経験からのアドバイスとなります。
※これを見た専門家の方がいらっしゃいましたら是非正しい方法を教えてください。
もう一つの最強最悪生物
もう一種類のサーフィンをしていると最悪な生物がいます。
それは、エイです。
エイといっても色々とあると思いますが、これはアカエイというやつです。
この生物も、自分から刺してくるというような凶悪さは無いのですが、どうしても歩いて海底に足をつくことが多いサーフィンでは刺されるリスクがあります。
刺される時期としては、やはり海水が温かくなる夏に多く、特に河口周辺では多いようです。
クラゲのように全体が毒針という感じではないのですが、本体としっぽの付け根に毒針があり、それはクラゲのように目にも見えないような小さな針ではなく、肉眼でもわかる、太いものだと鉛筆のような針がついています。
その針の周りに毒がべっとりついていて、その毒を刺した後に皮膚内に残していきます。
クラゲと違い広範囲を刺されるということはないですが、エイの場合は一点集中でその一転に強烈な毒を置いていきます。
ほとんどの場合が足を刺されると思いますが、しっぽを跳ね上げて刺すので、足の裏ではなく、足の甲を刺されることがほとんどです。
そしてその刺された後には穴が開くくらい思いっきりブスっと刺されます。
私は幸いエイには刺されたことはないのですが、刺された方はいっぱい見ました。
エイの毒も同じくタンパク質毒素ということで、私のショップでは同じ対処をしてさらに病院に行くようにしてもらいました。
ひどいと1週間足をつけて歩けなくなるそうです。
エイから身を守る方法
サーフィンをしていてエイから身を守る方法は比較的簡単です。
その方法は、
すり足!
これだけです。
エイは居たとしても、上から踏まないと逃げていくだけですので、海底から足を離さなければほぼ刺されることはありません。
夏の暑い時期、海パンラッシュなどで入れる季節になったら気をつけましょう。
エイがいると聞かなくても、私は常にすり足にしています。
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最後に
このページで出した対処法は諸説あるので、ご自分の思うように行動してください。
特にクラゲに関してはアナフィラキシーショックもあり、死亡例もあるので気を付けると良いです。
下手に水やお湯をかけても炎症が余計にひどくなるという体質の方もいると思います。
そして、エイやクラゲのほかにもサメの被害も日本でもありますし、その他の生物も、ご自分のサーフボードも凶器になるので、つねに危険が伴うと思って行動しましょう。
VSCではそういった危険リスクなどの指導も行っています。
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