サーフィンで加速できない原因は?上級者が使う重力と「タテフミ」のコツ
「テイクオフはできるのに、横に走るとすぐに失速する」「一生懸命ボードを動かしているのに、スピードが出ない」。そんな悩みはありませんか?
同じような波でも、上手いサーファーはスムーズに加速して、次のターンへつなげていきます。その違いを考えるうえで注目したいのが、重力の使い方と、ボードに体重を乗せるタイミングです。
今回は、ライディングでスピードが出ない理由と、VSCで「タテフミ」と呼んでいる加速の動きを解説します。力任せに動く前に、波の斜面と身体の動きの関係を整理してみましょう。
この記事でわかること
- サーフィンで横に走ろうとしても加速できない理由
- テイクオフとライディングで意識したい動きの違い
- 重力と荷重のタイミングを使う「タテフミ」の考え方
- スピードにつながりにくい、よくある動き
なぜライディングでスピードが出ないのか
ライディング中にスピードが出ないと、もっと脚を動かそう、もっと強く踏もうと考えがちです。もちろん姿勢や波に合ったラインも大切ですが、まず確認したいのは波の斜面を使えているかという点です。
横に進むことばかりを意識すると、波の斜面を降りて加速する動きが少なくなることがあります。また、スピードが十分についていない段階で上へ向かおうとすると、動きが苦しくなり、失速につながることもあります。
波の上を横に走っているように見える上級者も、よく見ると高さを変えながら滑っています。横への移動だけでなく、上下のラインに注目すると、加速の仕組みが見えやすくなります。

上級者の加速姿勢
テイクオフとライディングでは、意識する順序が違う
VSCでは、テイクオフの際に波が急になるまで待ち、斜面へ落ちることだけに頼るのではなく、ボードが前へ走り出す流れを捉えることを大切にしています。これが「水平テイクオフ」の考え方につながります。
一方、立ち上がったあとのライディングでは、波の斜面を降りる動きが加速につながります。
つまり、テイクオフでは前へ走り出す流れを捉え、ライディングでは斜面を降りる動きも使うということです。テイクオフで落ちることだけを待ち、立ってからは横に進むことだけを考えていると、それぞれの場面で使いたい動きとずれてしまいます。

波のトップから重力を最大限使う
上手いサーファーは何が違うのか
今回注目したいのは、上級者が斜面を降りる加速に、身体の上下動と荷重のタイミングを合わせている点です。
高い位置から低い位置へ滑るときには、重力が加速に関わります。上級者はその流れに合わせて身体を動かし、ボードへ体重を乗せています。
ただ強く踏めばよいわけではありません。ボードがどちらへ動き、どのタイミングで斜面へ入っていくかによって、踏み込む動きの意味が変わります。
VSCでいう「タテフミ」とは
VSCでは、身体を一度上へ動かし、その後に重心が下がる動きを斜面への進入と合わせて、ボードへ荷重するテクニックを「タテフミ」と呼んでいます。縦方向の動きを加速につなげる、という意味です。
イメージとしては、次のような流れになります。
- 脚の伸びを使って、身体を一度上へ動かす。
- その後の重心が下がる動きを、ボードが斜面を降り始める流れに合わせる。
- 滑り出したボードへ、タイミングよく体重を乗せていく。
これは、大きくジャンプして着地するという意味ではありません。身体の上下動とボードの動きを合わせることがポイントです。踏む強さだけを追いかけるより、いつ荷重するかを見ると理解しやすくなります。
改善するためのポイント
1.横に進む意識に、斜面を降りる視点を加える
スピードが出ないときは、横に走り続けようとしていないか振り返ってみましょう。自分のライディング映像があれば、波のどの高さを通っているかを見るのがおすすめです。
上手いサーファーの映像でも、技の形だけでなく、どの位置から斜面を降り、そのあとどこへ向かっているかを追ってみてください。加速とライン取りの関係が見えやすくなります。
ただし、高い位置へ無理に上がる必要はありません。まずは、余裕を持って滑れる波で、斜面を降りるときにボードがどう走るかを感じてみましょう。
2.脚の動きと、ボードが走り出すタイミングを合わせる
タテフミで大切なのは、脚を伸ばしたり曲げたりする回数ではありません。身体が上がる動き、その後に下がる動き、そしてボードが斜面へ入る動きがつながっているかです。
最初は大きく動こうとせず、ボードが走り出す流れに、自分の荷重が合っているかを意識してください。動画では、身体の高さが変わる瞬間と、ボードが斜面を降り始める瞬間を見比べると参考になります。
3.陸上では、動きの順序を確かめる
陸上での練習方法の一つに、スケートボードの緩い斜面を使い、身体の上下動と滑り出しを合わせる方法があります。波よりも条件をそろえやすいため、動きの順序を確かめる方法の一つになります。
スケートボードに慣れている方は、ヘルメットやプロテクターを着用し、安全に練習できる場所で小さな動きから確認してください。不慣れな方は、まず動画でタイミングを観察するところから始めましょう。
よくある間違い
とにかく板を振れば加速すると思ってしまう
サーフボードは板を振ることでは加速しません。スケートボードで(特にスラスターで)肩を振っていたを振る動きで加速するのではありません。
地面のように滑らない硬い土地で走っているのでは無いからです
上半身だけを上下に振ってしまう
見た目の上下動だけをまねると、頭や肩ばかりが大きく動き、足元のボードとのタイミングが合わないことがあります。身体を揺らすこと自体を目的にせず、ボードの動きと荷重のつながりを見てください。
スピードが出る前に、上へ上がろうとする
上級者のように波の上へ向かいたくても、その前の加速が足りなければ動きは続きません。上がる動きだけをまねるより、まずはその直前に、どこでスピードをつけているかに注目することが大切です。
下から上に上がろう上がろうとずっと下に居ることも加速が止まってしまう原因です。
VSCの考え方
VSCメソッドでは、動きの形だけをまねるのではなく、波・ボード・身体が、どのようにつながっているかを整理して練習することを大切にしています。
テイクオフでは「水平テイクオフ」、ライディングでは今回の「タテフミ」のように、場面ごとに意識するポイントがあります。また、身体のひねりと張りを扱う「ツイステンション」も、身体の使い方を理解するための考え方の一つです。
最初からすべてを同時に行う必要はありません。今回なら、まずは斜面を降りる流れと荷重のタイミングに絞ってみてください。
海に行く頻度が限られる週末サーファーほど、一度の練習で何を確かめるかを決めておくと、自分の動きを振り返りやすくなります。
まずはスケートボードなどを使って降りる練習をしてみることや、陸上でも一度浮いた体重を地面に押し付ける姿勢とヒザの使い方を練習してみると良いと思います。
まとめ
サーフィンでスピードが出ないときは、板を振って走ろうとせず、波の斜面と荷重のタイミングを見直してみましょう。
- 横に進むだけでなく、斜面を降りる動きも加速に使う。
- 身体の上下動を、ボードが斜面へ入る流れに合わせる。
- タテフミは、踏む強さよりもタイミングに注目する。
- 上級者の映像では、技の直前のラインと身体の高さを見る。
「もっと動かなければ」と考える前に、今ある波の斜面を、どう使うかを意識してみてください。加速する場所と身体を動かすタイミングがわかると、次のターンへつなげる練習もしやすくなります。
今回解説した内容は動画でも詳しく解説しています。
実際の動きやイメージを見たい方は、こちらの動画も参考にしてみてください。
特に、身体が上がってから下がる動きと、ボードが斜面を降り始めるタイミングに注目してご覧ください。
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