テイクオフは何とか出来るんだけど、横に走ることが出来ずに躓いてしまうサーファーの方も多いのではないでしょうか?
これ、原因としては多くのことが考えられますが、
今回は
走行ライン
に注目して話を進めていきたいと思います。
走行ラインとは?
走行ラインとは、VSCのライディングの概念で
基本的に波の上で走行していく中心のラインとなります。
例えば、車で目的地に行こうとしたとして
現在地から目的地という方向を直線で示したものが”走行ライン”のような感じです。
波の中でサーフボードは右へ左へノーズの方向が変わりすが
基本的な走行ラインを中心として、ノーズが左右に振れてラインディングをしているわけです。
サーフィンの場合は、車の目的地へ行くのと違って、ずっとノーズを目的地へ向けたまま走行することも可能です。
例えばチューブライディングなどは
走行方向へノーズを向けたままじっとしているけど、波に対しては横に向けて走っていくからチューブから抜けられますね。
ノーズを左右に振らないと走らないわけでも、加速もしないわけでもないんです。
プロや上級者の方は、走行ラインに合わせて乗っているわけではないけど、結果的に走行ラインに乗って乗っています。
ですが、一般の方は、走行ライン上にラインを取らずに、行きたい方向、やりたい方向へノーズを向けてしまっている場合が多いですね。
結果的に走行ラインに合っていないので、プロや上級者の様にトップアクションやカットバックが決まらないわけなんです。
走行ラインはどうやって決まる?
ダンパーのような波やワイドな早い波、チューブなどの場合は走行ラインが波の方へ向くことが多いです。
緩い波、厚い波、ショルダーがたるい波などは、走行ラインが岸に向いている場合もあります。
このように走行ラインがどちらを向くかですが、基本的に波と平行になることは無くても、まっすぐ岸に向いていることはあります。
走行ラインが波と岸の角度が90度だとすると(波はまっすぐ岸に向かってブレイクしていく状態)、45度で走るとなると相当早い波となります。
あとは波に対してどれだけ加速をつけられるかによって、そのサーファーの技術によって走行ラインでもどこまで早い波で対応できるかが決まってきます。
上級者だとまっすぐ岸を向いて走ることが0度だとして、波に完全に平行に走るのが90度だとすると
50度くらいの角度で走ったら相当早い波でしょう。
初心者だと20度くらいじゃないと波のフェイスに居続けることは無理です。
中級者だと40度から45度くらいかと思います。
ただ、それは基本の走行ラインなので、板の向きとは無関係です。
板の向きと走行ラインを合わせる必要がある
上記の点から考えると
面白いことに
角度があっても走れる上級者の方が、板の向きは岸向きの割合が多くなります。
角度があると走れない初中級者の方が、波と平行の方向へ角度をつけてノーズを向けてしまう割合が大きいんです。(板の向きが岸向きではないという意味)
これ逆に言えば、早い波に対応したいなら、板は出来るだけ岸に向けて走れば良いということになります。
ライディング中の目線を見ると、それは上級者でも中級者でも(初心者はまた違うところを見ている方が多い)同じように目線を置いているのですが、
目線は同じでも板の角度が違うから走れないんです。
走れないから走行ラインの角度がキツイ(より波向きに走行ラインがある早い波)波に乗るのが難しくなります。
上級者は走行ラインよりも岸に板を向けると加速するのを知っています。
なぜ走行ラインより岸向けると早く走れるのか?
それはサーフボードが加速していく原理にあります。
まずサーフボードが加速する補法としては2つあります。
1つは 重力
2つ目は 脚力
この2つの力で加速します。
重力というのは、単に波のトップから斜面を降りるから加速する場合です。
問題は脚力での加速です。
これを簡単に言うと
1つ目の重力はノーズを岸に向けた時に岸側に向けて加速する方法
2つ目は、ノーズを岸に向けて加速して降りたところから、レールを入れてボードを蹴りだしてレール方向へ加速する方法
の2つになります
これを上級者は2つともスムーズに利用できるから加速するんですね。
この2つの方法を考えると
ノーズを岸に向ける割合が大きくなるのはわかると思います。
ノーズを岸に向けてライディングするコツはあるの?
ココまでの解説を理解したあなたは
『ノーズを岸に向けて走ろう!』
ということをやろうとするでしょう。
ですが、これはただ単にノーズを岸に向けて乗ろうとするのではなく
テイクオフの時点で
走行ラインが決まってしまいます。
走行ライン自体は波によって決まるので、乗っているサーファーが決めるわけではないのですが
その本来行くべき走行ラインと違う走行ラインに行こうとしてしまうことを
テイクオフで決めてしまっている
ということなんです。
一つの大きな原因としては
テイクオフ後のライディング姿勢がノーズを向いているということです。
そのノーズを向けて乗るというのは、今までのサーフィンセオリーでも言われていることですし、何の違和感もないかと思うのですが、VSCではそうではなく
腰を後ろに向けるくらいで、後ろ足に荷重をかけるとまったく真逆のことを教えています。
実際にそのくらいすると板は走ります。
この方法を
ツイステンション
というメソッドで覚えてもらっています。
初心者でもするする波に加速して
思ったラインでスピードに乗ったサーフィンに変わります。
それがまずテイクオフの時点で、ツイステンションを入れられるかどうかによって決まってくるのです。
テイクオフしてからすぐに走れるか走れないか?
テイクオフして加速の姿勢が取れるか捕れないか?
テイクオフの仕方を横向きに足を入れるように変えるだけで、基本の走行ラインに対して、ノーズが岸の方向へ向いた姿勢がとりやすくなり、重力と筋力で加速をすることが出来るので上級者のようなスムーズな加速をすることが可能になります。
ぜひテイクオフの時点から、板の向きを意識して、板の向きに対して腰を絞めるように横向きに乗るようにしてみてくださいね。
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