初心者の方で、うねりからテイクオフ出来たらどれだけ楽しいだろう…
とお悩みの方は多いと思います。
先日、海に入っていてたまたま近くでやっていた方に相談を受けたのですが、
『やっぱり浮力を下げて練習したほうが良いですか?』
と聞かれたので、それは間違いないということを説明させていただきました。
今回紹介するのは、ペットボトルを使ってうねりから滑り出すということを再現して、その再現映像から、ペットボトルという浮力体が推進力ではないものに動かされていくということをイメージしていく映像です。
これがわかると先ほど質問した方と同じ疑問をお持ちの方でも、浮力がすべてではないし、むしろ浮力をなくして練習をする意味も分かっていただけると思います。
うねりから乗りたいならこの原理を使う
うねりから乗りたいのであれば、単純に浮力を上げれば、その浮力が波のパワーで押し出されるので簡単にはなります。
ですが、これを見ている皆さんは浮力を上げれば上げるほどテイクオフは早くなる実感はありますか?
この質問をすると、意外とある答えが
浮力を上げても上げても早くなるどころか、体力の衰えに合わさって昔から変わらないまま
なんて方も少なくないです。
VSCではバーチカルプッシュやパワーハンドなどの手法を次々に出していますが、今回は、この浮力を上げてもテイクオフが早くならないという方が絶対覚えておきたい、
【ボードが波に滑り出す原理】
というものを解説していきたいと思います。
注目すべきは波のパワー
これは常に言っているので、波のパワーというのがあるというのはVSCブログの読者の方ならお分かりかと思いますが、知りたいのはそれをどう使うか?ということだと思います。
波は一定方向へ移動しているのですが、初心者サーファーの方は
- 沖に出るとき大変
- 乗るのも(戻るのも)大変
な方が多いんじゃないでしょうか?
これが波のパワーですね。
ではこれを解説すると。
沖に出るときは波のパワーをもろに受けてしまい
岸に戻る(乗りたいとき)は波のパワーを逃がしている。
これが上手い人は逆なんですね。
波のパワーというものを知ってくるとこれが逆になってくるかもしれません。
ペットボトルを波に乗せてみた
そこで今回は、私のサーフィンのルーツである、勝浦市の興津という海岸で、河口に上ってくるうねりを使い、ペットボトルを波に乗せる実験を行いました。
ペットボトルに1センチくらい砂を入れて、波に乗せてみようということで、いかにサーフボードの上級者がやる荷重配分を再現するか?ということで7割くらい後ろに重心位置が来るよう調整して、ほぼ押すこともなくうねりからテイクオフすることに成功しました。
動画はコチラです。
押しているというよりは、波の動きに合わせているだけなので、手でペットボトルを押している感じではないです。
押していくというか、ペットボトルが移動しているパワーはほぼ波のパワーです。
そのパワーを受け続けられるように、手で波のパワーがペットボトルに引っかかっているのを感じながら、必要最低限の推進力を与えています。
奇麗なうねりからのテイクオフですね。
この時ノーズを下げたり、下向きにさせるような動きは一切していませんし、どちらかというと、後ろからペットボトルが前に押し出される際にノーズが下がりがちなので、手でノーズが下がらないようアシストしているくらいです。
テールから押し出される
この時の手の感覚から、後ろから来た波は、ペットボトルの後端(サーフボードで言えばテール)を押し出してきます。
それも砂を入れてわざと沈めているので、その沈んだペットボトル波が来ることによって、通常水面の高さではなくなり、その上がった水面に押しつくように沈んでいくので、その沈んだ浮力が前に押し出されていきます。
押し出される感じを感じたら、あとは押し出され続けるようにアシストしているだけです。
ペットボトルは、最後までしっかり後ろ荷重でロングライドを決めていきます。
サーフィン初心者は波のパワーをしっかり受け止めること
この実験からわかるように、推進力があれば良いわけではありません。
特に初心者サーファーで浮力があるボードに乗っている方は、それだけでもかなり有利なのですが、それでも周りのサーファーと比べるとテイクオフが遅かったり、波にいっぱい乗れないなど悩んでいる方も多いと思います。
この実験の映像を何度も見て、自分がこのペットボトルで、このペットボトルを押してくれているくらいのアシスト力があれば簡単にうねりから乗れてしまうだろう。ということは頭に入れておいてください。
おそらく初心者サーファーの方の推進力でも半分使えれば十分このようにうねりからテイクオフが可能だと思います。
うねりから波に乗るポイントはここ
この動画から見ていただいて、うねりから波に乗るためのポイントは
波の一番パワーのある場所に荷重をかけること
なんです。
それを再現するために、ペットボトルに砂を入れて表現しました。
このペットボトルの荷重位置は、センターより3分の2くらいの後ろのところです。
こんな感じです。
この沈んだおもりがついている部分が、
波の円運動で転がっていくパワーに押し出されていくようなイメージです。
それをこうやって重心を前にして降りようとしても、波は押してくれなくなるので全く乗れないわけです。
波のパワーを活かせないなら、浮力を上げても無駄になってしまいますね。
波のパワーはいかに水に浮力を押し当てるか(沈ませるか?)というところがポイントなので、
ノーズを下げてテールを浮かされたところに波が入り込み
次はノーズが持ち上がり、波が抜ける道を作る
という行為はせっかくの浮力に波が引っかかるのを避けているということになります。
そして沖に出るとき苦労する
そして、さらに初心者サーファーの方は、沖に出るとき苦労していると思いますが、沖に出るときには波のパワーをもろに喰らうような崩れた波の位置からパドリングを開始するのですが、
波に乗るために浮力を上げていて、その波に乗るためには浮力を使えず、沖に出るときに浮力を受けてしまう。
ということになってしまっています。
逆に言うと、板の浮力を下げれば沖に出るのは楽ですし、波に乗る時には浮力を下げても、シッカリした荷重配分で適正な推進力を与えれば、浮力がある板よりスムーズに滑り出すのでサーフィンが楽になるというわけです。
体験レッスンで押してもらうときもこの原理
本当に初心者のころ、体験レッスンで押してもらったことはありますか?
もしあるとすれば、この押してもらうということも、波がわかっている先生が、あなたの乗っているボードをこの原理で押し出しているわけです。
下に向かって押す体験レッスンはあまり見ないです。(素人が教えているので目にしたことはあります)
上級者は意識はしていなくてもこの原理を知っているのでうねりから乗るのが早いんですね。
実際にサーフィンを教えてあげる際に押してあげても良いですし、そうではなくてもペットボトルを使って一度こういった実験を行ってみるというのもサーフィンの上達の知識につながってくるのでやってみてください。
コメント