サーフィンでテイクオフはできるようになってきたのに、ライディングに入るとフラついてしまう。
ターンをしようとすると踏ん張れない。ボトムターンでボードがホールドできない。スピードが出てくると体が起き上がってしまい、結果的に転んでしまう。
こういった悩みは、初心者だけでなく、40代・50代の週末サーファーにもとても多いです。
実はこの原因は、単純に「バランスが悪いから」ではありません。多くの場合、ライディング中に使っている筋肉や荷重の方向が、上手いサーファーとは違っていることが大きな原因になります。
特に多いのが、前ももに力が入りすぎてしまう状態です。本人は重心を低くしているつもりでも、実際にはかかと荷重になり、空気椅子のような姿勢で耐えてしまっているケースがあります。
今回は、サーフィンのライディング力を高めるために、自宅でもできる簡単なトレーニングを紹介します。難しい筋トレではなく、足裏・股関節・お尻の使い方を覚えるための練習です。
この記事でわかること
この記事では、サーフィンのライディングが安定しない原因と、改善するための考え方を解説します。
- テイクオフ後にフラつく原因
- ライディング中に前ももが疲れる理由
- かかと荷重になるとボードが動かしにくくなる理由
- 上手いサーファーが使っている体の部位
- 自宅でできる簡単なライディング力アップトレーニング
- ボトムターンで意識したい海面との向き
サーフィンは海の中で練習することも大切ですが、体の使い方を理解しておくと、海に入った時の感覚がかなり変わります。
特にライディングが安定しない方は、波の上で頑張る前に、まず陸上で「正しい踏ん張り方」を体に覚えさせることが大切です。
なぜライディングが安定しないのか
ライディングが安定しない大きな理由のひとつは、重心を低くしようとした時に、前ももで耐えてしまうことです。
サーフィンではよく「重心を低くしましょう」と言われます。しかし、この言葉をそのまま受け取って、上半身を起こしたまま膝だけを曲げてしまうと、空気椅子のような姿勢になりやすくなります。
この姿勢になると、体の前側、特に太ももの前に強く力が入ります。
前ももで耐える姿勢は、一見すると低く構えているように見えます。しかし、実際にはボードをしっかりホールドする力が弱くなり、ターンの時に踏ん張りにくくなります。
さらに、かかと荷重になりやすいため、つま先側でボードを押さえる感覚が失われてしまいます。
その結果、次のような状態が起こります。
- テイクオフ後にフラつく
- ターンで踏ん張れない
- ボードが足元から抜ける感じがする
- トップに上がる時にボードが上がりにくい
- ライディングにスピード感が出ない
- 動きがへっぴり腰に見える
つまり、ライディングが安定しない原因は、単純な筋力不足だけではありません。
どの筋肉を使って、どの方向へ荷重しているかが重要です。
上手いサーファーは何が違うのか
上手いサーファーは、前ももだけでサーフィンをしていません。
もちろん脚全体を使っていますが、特に重要なのは、お尻・太ももの裏側・股関節まわり・足裏です。
上級者のライディングを見ると、ただ膝を曲げて低くなっているわけではありません。体全体の高さを低くしながら、股関節を使ってボードにしっかり乗り込んでいます。
この状態になると、ボードを足元でホールドしやすくなります。
特にボトムターンでは、ボードに体重を預けながらも、波の面に対して体をうまく合わせていく必要があります。
VSCでは、
ボトムターンでは海面と対面
つまり波の面と胸面が対面していく感覚を大切にしています。
この時に、かかと側に逃げてしまったり、上半身だけで無理に向きを変えようとすると、ボードの反応が遅くなります。
逆に、足指やつま先側を使いながら、股関節とお尻で支える感覚があると、ボードを安定させながら次の動きにつなげやすくなります。
これはVSCメソッドで大切にしている「水平テイクオフ」や「ツイステンション」の考え方にもつながります。
水平テイクオフで安定して波に乗り出し、ツイステンションで体のねじれと姿勢を整えていく。その土台として、足裏でボードを押さえ、後ろ側の筋肉で体を支える感覚が必要になります。
改善するためのポイント
ライディングを安定させるためには、前ももで耐える姿勢から抜け出し、後ろ側の筋肉と足裏を使えるようにすることが大切です。
ここでは、自宅でできる簡単なトレーニングを2つ紹介します。
1. コップの水を遠くへ置くイメージのトレーニング
まず、片足を前に出して軽く構えます。
その状態から、前に出した足の方向へ体を乗り込ませていきます。この時、満タンに水が入ったコップをできるだけ遠くへ置くようなイメージを持ってください。
実際にコップを持たなくても大丈夫です。あくまでイメージで行います。
ポイントは、こぼさないように丁寧に体を運ぶことです。
この動きをすると、前ももだけで耐えるのではなく、股関節・お尻・太ももの裏側を使ってバランスを取る感覚が出てきます。
さらに、足裏で床を押さえる力も必要になります。フラフラしないように足でしっかり支えることで、サーフボードをホールドする感覚に近づいていきます。
やり方はとても簡単です。
- 片足を前に出して構える
- 満タンの水が入ったコップを遠くへ置くイメージで体を伸ばす
- こぼさないようにゆっくり戻る
- 左右それぞれ行う
1日1回ずつでも構いません。毎日、または1日おきに行うだけでも、体の使い方が変わってきます。
2. 足指を使うつま先トレーニング
次に大切なのが、足指の使い方です。
サーフィンでは、足の親指から小指までを使って、ボードをしっかり押さえる感覚が必要です。
かかと荷重になっている人は、つま先が浮いたような状態になりやすく、ボードを押さえる力が弱くなります。
その結果、ライディングにホールド感が出ず、スピード感のない動きになってしまいます。
足指のトレーニングでは、まず親指と小指をできるだけ広げるように意識します。
その状態で足裏を床につけ、指先で床を押し込むような感覚を作ります。
慣れてきたら、軽く肩幅くらいに足を開き、かかとを上げて背伸びをします。その状態から、かかとを下げすぎないように軽くスクワットしてみてください。
強くやりすぎると、ふくらはぎがつりやすいので注意が必要です。最初は3回程度で十分です。
- 親指と小指を広げる
- 足指で床を押す感覚を作る
- かかとを上げて軽く背伸びする
- 膝下を伸ばした感覚を保ちながら軽く曲げ伸ばしする
- 無理せず3回程度から始める
このトレーニングは、筋力を大きく鍛えるというよりも、足指で押さえる感覚を作るための練習です。
指先でボードを押さえる感覚が出てくると、ライディング中の安定感が変わってきます。
よくある間違い
ライディングを安定させようとする時に、よくある間違いがあります。
間違い1:重心を低くしようとして空気椅子になる
重心を低くすることは大切です。
しかし、上半身を起こしたまま膝だけを曲げると、前ももで耐える姿勢になります。
この状態では、一見安定しているように見えても、ボードを動かす力が出にくくなります。
間違い2:かかと荷重でバランスを取る
かかと側に体重が乗りすぎると、つま先側でボードを押さえられなくなります。
特にボトムターンやトップへ上がる動きでは、ボードを前に進めたり、波の面に合わせたりする力が弱くなります。
結果として、ターンが遅れたり、ボードが上がらなかったりします。
間違い3:肩だけでボードを動かそうとする
ライディング中に上半身だけを大きく振ってしまう人も多いです。
肩を振ることで一時的に向きを変えようとしても、足元が安定していなければボードは思ったように反応しません。
まずは足裏・股関節・お尻で支える感覚を作ることが大切です。
間違い4:海に入った時だけ練習しようとする
サーフィンは海でしか上達しないと思われがちですが、体の使い方は陸上でも十分に練習できます。
特に足指や股関節の使い方は、毎日少しずつ練習することで感覚が変わってきます。
海に行けない日こそ、1分程度の簡単なトレーニングを続けることが大切です。
VSCの考え方
VSCでは、サーフィンの上達を感覚だけで終わらせず、体の使い方や波との関係をできるだけわかりやすく整理して伝えています。
今回のライディング力アップの考え方も、単に「もっと筋トレをしましょう」という話ではありません。
大切なのは、サーフィンで必要な方向に体を使えるようにすることです。
たとえば、水平テイクオフでは、波の力を受けながら安定して滑り出すことを大切にします。
その後のライディングでは、ツイステンションのように体の向きや腰の締め方を使いながら、ボードを安定させていく必要があります。
しかし、その土台となる足裏や股関節の使い方が崩れていると、どれだけ形だけを真似しても安定しません。
前ももで耐えるのではなく、足指で押さえ、股関節に体重を乗せ、お尻や太ももの裏側で支える。
この感覚が出てくると、テイクオフ後の安定感、ボトムターンのホールド感、トップへ上がる動きが少しずつ変わってきます。
サーフィンは大きな動きに目が行きがちですが、実は足裏や体重のかけ方のような小さな部分が、ライディング全体に大きく影響します。
まとめ
サーフィンでライディングが安定しない原因は、単純なバランス不足だけではありません。
多くの場合、重心を低くしようとして前ももで耐えてしまい、かかと荷重になっていることが原因になります。
この状態では、ボードを足元でホールドしにくくなり、ターンで踏ん張れない、スピード感が出ない、テイクオフ後にフラつくといった問題が起こりやすくなります。
改善するためには、次のポイントを意識してみてください。
- 前ももだけで耐えない
- お尻・太ももの裏側・股関節を使う
- 足指で床やボードを押さえる感覚を作る
- かかと荷重になりすぎない
- ボトムターンでは波の面と対面する意識を持つ
- 海に行けない日も1分程度のトレーニングを続ける
今回紹介したトレーニングは、難しいものではありません。
満タンの水が入ったコップを遠くへ置くイメージの動きと、足指を使ったつま先トレーニング。この2つだけでも、ライディング中の体の使い方が変わってくるはずです。
特に40代・50代の週末サーファーは、海に行ける回数が限られている方も多いと思います。
だからこそ、日常の中で少しだけ体の使い方を整えておくことが、次に海へ入った時の上達につながります。
ライディングが安定してくると、波の上で余裕が生まれます。
余裕が出れば、ボトムターン、カットバック、トップアクションなど、次の動きにも挑戦しやすくなります。
まずは1日1分からで大丈夫です。足裏と股関節を使う感覚を、ぜひ少しずつ作ってみてください。
今回解説した内容は動画でも詳しく解説しています。
実際の動きやイメージを見たい方は、こちらの動画も参考にしてみてください。





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